石風呂は、ご主人のたゆまぬ努力の日々の積み重ねのおかげで楽しめています。

どうしても形に残して記録したいので、撮影依頼をさせてもらいました。

快く応じて頂き、感謝しています。

 

このページは、ご主人が18歳から50年以上積み重ねた日々の歴史のほんの一部を切り取ったモノです。

よりによって・・・

その日は何十年ぶりかの大寒波到来当日でした。

推定 -1℃あたりで、指も痛い位でしたよ。

雪が降らないのは、温暖な瀬戸内の海のおかげでしょう。

忠海は良いとこです。

8時に仕事を始めると聞いてましたが、時間ギリギリで煽るのも気を遣わせるのも・・・

 

と、思ったので敢えて8時過ぎに到着しました。

すでに、凍った水道を出るようにして、サッシもはずしてありました。

こちらの窓も外します。

倉庫に燃料の薪がギッシリ積んでありますね。

職人の農家が綺麗に同じ長さに揃えて縛ってくれるそうです。

薪も岩乃屋さんのこだわりの一つです。

素人の農家が縛った薪です。

積むのも大変で、使う時にまた仕分けする手間が増えますね。

世代間で伝承ができていないからでしょう。

良い薪を仕入れる事すら難しくなっています。

こういう所からも、時代の変わり目を感じる事ができますね。

薪を準備していますよ。

一輪車で、ギリギリのサイズと量の薪を運んでいます。

何往復もしますよ~。

一日でこんなにたくさんの量の薪を使います。

掃除機かけは、朝晩2回です。

天井が岩肌むき出しの為、常にポロポロ崩れ落ちるので・・・

お客様が素足や裸でくつろぐので、一番気を遣うそうです。

休憩室には換気扇が無くて、ここから空気を逃がします。

結露して水が垂れるので、自作のパイプで水を落としていますよ。

実は、工夫の塊なんです。

ここから休憩室の下側へ外気を導いています。

上にも窓があるので外します。

窓を外して、より多くの外気を導入して燃えるようにする為ですね。

外は極寒の中、ご主人が服を脱ぎました。

中に入ってアマモやむしろなど、中の物を全部出す為です。

熱気がだいぶ抜けたので、中の様子が撮影できました。

岩乃屋さんのこだわりのアマモとむしろが敷いてありますよ。

 

ただ・・・

アマモは、昔のモノとは質が違うそうです。

 

昔のモノは・・・

人が乗って潰れてしまっても、離れた後で戻る弾力があったが・・・

 

今のモノは・・・

弾力が無いそうです。

 

それに、昔のモノと比べて、細切れのふりかけ状態になるとの事です。

 

むしろも良質なモノの入手が困難で、営業を続けるのが難しい時代なのだそうです。

ずっしり重い扉を外します。

ほんの10kg20kgの重さだと言ってましたが、もっと重そうです・・・。

アマモを全部集めて一時外に出します。

 

狭い出入り口をかがんで出入りしますので・・・

腰に負担かかるし、ぶつけるしで重労働です。

集まったアマモです。

次は、8月まで摂れないので、無くなりそうな危機を迎えているそうです。

今度は、むしろを出します。

たくさん出ましたね~。

アマモのクズは、有機農家してる人に肥料として分けるそうですよ。

みかんも芋もネギも・・・

みんな甘くなって、虫がつかなくなるそうです。

一番下にあるスノコも当然出します。

全部出したら、薪を入れますよ~。

薪をキャンプファイアーみたいに組んで、仕上げに落ち葉を乗せます。

落ち葉を乗せる理由は、一気に燃えすぎるのを防ぐ為です。

火力のコントロールにもこだわっていますよ。

散らかった落ち葉は、サッサと掃きます。

いよいよ着火です!!

しっかり燃えるようにまんべんなく着火します。

良い燃えっぷりですね~。

合間にむしろを洗います。

お客さんが使うやかんも洗います。

煙モクモクですよ~。

そら~、黒くなるわな~。

ここも真っ黒です!

休憩室へのドアも凄い色をしています!!

上の窓近辺のひさしまで・・・ 真っ黒ですよ。

 

 

 

 

 

 

 

薪が燃えきるまでの約30分は、休憩時間です。

 

 

 

 

 

 

 

炭を取り出す道具は、ここにかけてあります。

一番奥の炭を出せるように、かなりの長さです。

当然、一番端を持てば重いですよ~。

さらに作業するから、それはもう大変です!

しっかり燃えていますね。

(休憩中にしゃべり過ぎて燃えすぎたのは内緒)

炭を出す作業開始です。

作業の邪魔にならないように、引いた目線からですよ。

炭を移しています。

洗い湯の熱源にもなりますね。

ちなみに、燃やしている間はぬるい方を開けておきます。

中で熱い方と穴でつながっているからだそうですよ。

中の炭を掃く為に、タオルを口に当てて準備します。

残った炭を奥に掃く作業中です。

口に当てたタオルの黒さが、作業の過酷さを物語りますね。

今度は、スノコから入れて行きます。

開店30分前なのに、早くも常連さん達が到着しました。

むしろを敷いて・・・

アマモも入れて・・・

撒いていきます。

また重い扉を持って・・・

うちの親父より年上なのに、圧倒的に元気です!!

たゆまぬ努力の賜物だと思いましたね。

最近、位置が微妙に合わないそうで微調整をしています。

周りに積もった灰をうちわでパタパタ扇ぎます。

洗い場を流して・・・

サッシをはめて・・・

むしろを敷きます。

布が気密を保つパッキンの役割をしています。

上の窓を閉めます。

足場も無いのに身軽ですね~。

常連さん達は、ランチしながら開店を待ちます。

あれだけの手間のかかる大変な工程を経て・・・

 

作業終了時間は、ピッタリ開店時刻の11:30です。

電車に負けない時間の正確さ。(凄)

 

こだわりの詰まった素晴らしい仕事ぶりを拝見させて頂きました。

おつかれ様です。 ありがとうございました。

 

 

 

 

横で見ていただけなのに、後で鼻をかんだら・・・

 

 

『真っ黒!!』でした。

 

 

やはり、過酷ですね・・・。